歯周病治療
当院の歯周病治療の特徴
歯茎からの出血がメインの歯肉炎から、
歯がグラつく重度の歯周炎まで
『歯周病治療の専門家』である院長が診断
衛生士とともに症状改善を目指します。
見えるところの歯石の除去や、着色除去といったいわゆる「クリーニング」だけでなく、歯周病の進行度に合わせた治療計画をご提案いたします。歯周外科による骨再生手術が必要な場合も、当院でope(手術)を行うことが可能です。
歯周病の原因
歯周病の原因は歯と歯茎の間にすみついた歯周病原菌です。風邪やコロナと同じ感染症と言えるでしょう。感染症であるからには、もちろん予防もできます。手洗い、うがいをこまめにしてコロナを予防するように、歯磨きをしっかり行うことで歯周病原菌の繁殖を防ぎましょう。
親の歯が悪かったから、私も遺伝で虫歯が多いのよね、とおっしゃる方がいますが、虫歯や歯周病は遺伝ではなく細菌感染ですので家庭内でお食事の際などに感染してしまっているかもしれません。母子手帳に、お子さんとはお箸やスプーンの共有をやめましょう、と書いてあるのはそのためです。コロナ禍で家族間でも感染予防の意識が高まったかと思います。この機会にぜひ歯周病や虫歯の予防にも意識を向けてください。
歯周病の進行度とセルフチェック
以下の症状があり歯周病ではないかと思う方
- 歯磨きをすると血がでる
- 歯茎の色がピンクではなく赤みが強い
- 歯と歯の間の歯茎が丸みを帯びて腫れぼったい(歯茎の腫れ)
- 以前より歯が伸びたように感じる(歯茎下がり)
- 口臭が気になる
- 歯茎から膿がでる
- 歯がグラつく
①・②・③いずれかが当てはまる
→ 歯肉炎~軽度歯周炎の可能性が高い
軽度歯周炎
【 見た目 】
歯茎のところどころに赤みがあり、歯ブラシやフロスで出血することがある状態。
【 痛み 】
基本的に痛みなどの自覚症状はありません。
①・②・③・④・⑤のいくつかが当てはまる
→ 中等度歯周炎の可能性が高い
中等度歯周炎
【 見た目 】
歯茎が赤く丸みがあり、疲れると歯が浮いた感じ、フロスや歯間ブラシで出血することが多い。ポケットが深い部位から口臭を感じる場合も多くあります。
【 痛み 】
痛みはほとんど感じません。歯間ブラシで出血すると、翌日歯が浮いた感じがすることがあります。
⑥・⑦及び①~⑤のいくつかが当てはまる
→ 重度歯周炎の可能性が高い
重度歯周炎
【 見た目 】
歯がグラつき、歯茎から出血や膿が出ることがある状態。
【 痛み 】
グラつきや膿が出るほど腫れていると、痛みを感じます。
【 日常生活の支障 】
歯がグラつくことでしっかりと噛むことができなくなります。歯周病は無自覚のまま進行する病気のため、この時点でようやく歯周病を自覚される方が多いです。
歯周病がどこの段階まで進行しているかによって、
治療の方法、通院期間は大きく変わります。
治療方法
歯茎の治り方やブラッシングの状態を確認しながら、次のステップの治療へ移行しますので、初期の歯肉炎であれば比較的短期間で終了することもありますが、中等度以上の歯周炎の場合には、病状の程度にもよりますが、比較的長期にわたる場合が多いです。 治療後も引き続きメインテナンスが不可欠なので、定期的な受診が必要です。
1、歯茎の検査(歯周基本検査・歯周精密検査)・レントゲン診査
歯と歯茎の間には、歯肉溝という1mm程度の溝があります。歯周病の原因菌はこの溝に入り込んで炎症を起こすので、歯周病になるとこの溝が深くなり、歯周ポケットと呼ばれる深い溝が形成されます。歯周ポケットの深さを測ることで、歯周病が現在どのステージにあるのか、現在炎症が起きているのかを調べます。
中等度から重度歯周炎の場合は、骨が溶けてきている可能性が高いため、より正確な診断をするために、お口全体のレントゲン撮影も行います。
歯周ポケットの深さの違いによる
状態の目安
-
● 3mm以内 …… 健康
● 4〜6mm以内 …… 軽度〜中等度の歯周病
● 7mm以上 …… 重度の歯周病
2、スケーリング
歯茎より上についた歯石(歯肉縁上歯石)を超音波スケーラーと呼ばれる器具で除去します。歯茎下がりが強い方は「しみる」と感じる方もいらっしゃるため、症状をみながら進めます。
3、SRP
歯茎より下についた歯石をキュレットと呼ばれる主要器具と超音波スケーラーとを使って除去します。歯周ポケットが深かったり、痛みに敏感な方には麻酔をした上で治療を行います。歯茎の中の歯石(歯肉縁下歯石)は、歯肉縁上歯石と比べてとても強固に歯面についているため、右上、右下といったブロック別に数回にわけて行うこととなります。
4、歯周外科
中等度以上の歯周病により、歯の周りの骨が溶けており歯石除去だけでは歯周ポケットの改善が見込めない場合には、骨の再生を目的とした歯周外科処置を行います。地盤である「骨」をしっかりさせて、家である「歯」の倒壊を防ぐことを目的としています。
歯周治療における歯周外科は、まず歯茎をひらいて歯の根と歯を支えている骨を明示化し、取り残された歯石や溶けた骨の周りにある炎症組織(不良肉芽)を徹底的に除去します。不良肉芽を除去すると、骨の高さのがたつきがより明らかになるため、歯周ポケットの改善のために骨の高さを整え、骨の再生が見込めそうな部位に関しては、自分の余分な骨を移植したり(自家骨移植)、再生を促す薬剤を塗布します。
リグロスについて
当院では保険治療での歯周外科の場合、再生を促す薬剤はリグロスを使うことが多いです。リグロスは保険適応の優れた薬剤ですが、骨の溶け方によって効果が得られない場合もあります。歯周外科でリグロスを使用したからといって必ずしも骨が再生する、とは限りません。術前、術中に再生を望めそうな場合にのみ使用することになります。また、リグロスでは再生を期待できそうにない場合、保険適応外の薬剤を使用することで骨の再生を促すことができることもあります。
歯周外科処置(再生治療)は、手術範囲や使う材料によって治療の金額が変わります。保険適応の薬剤を用いる場合は20,000円を超えることはないと考えていただいてよいかと思います。保険適応外薬剤を用いた歯周外科の場合は100,000円/1歯~となります(使用する薬剤や術式によって値段がかわります)。下がった歯茎を改善したい、といった審美目的の歯周外科は保険外診療となります。手術前には必ず説明を行いますので、よくお聞きいただき、疑問点があればご質問ください。
5、SPT
SPTの重要性
歯周病は完治が難しい病気です。中等度以上の歯周炎の場合は、健康に近い状態まで改善させ、それを維持していく必要があるため、治療にゴールはないと言っても過言ではありません。4㎜以上の歯周ポケットの中や歯並びの悪い所にある細菌はブラッシングだけでは完全には除去できません。ご自身ではケアできない部分を定期的に洗浄、歯周病の進行を防止することを、サポーティブペリオドンタルテラピー(SPT)です。メインテナンスとほぼ同意語だと思っていただいて構いません。
積極的な治療が終わった後全く通院されなかった場合、歯周病が再発・進行し、以前行った治療効果が失われてしまうことが多いです。ご自宅でのホームケアとクリニックでの専門的なケアを続けることが必須であることをご理解いただければと思います。
治療期間
軽度歯周炎の場合は1~2回の通院後、メインテナンスへ進むことが多く、中等度歯周炎では、5~8回(およそ2~3カ月)の治療後に、SPTなります。重度の歯周炎の場合はそこにさらに歯周外科が加わるため、SPTに入るまでに半年はかかると思っていただいた方が良いかと思います。ただし、グラつきが大きく、残すことができないと診断される歯が多いような重度歯周炎の場合は、期間が短くなることもあります。
長期間通うことが難しく、すぐにでも歯周外科をしてほしい、という場合は、歯周治療の流れのすべてが保険外治療となりますので、ご了承ください。
抜歯を行った方が良いケース
グラグラで噛めない場合や、噛むと痛い場合、炎症が治まらず周囲の骨まで炎症が波及してしまいそうな場合は抜歯をおすすめします。
抜歯せずに治療するメリット
抜いた歯を、入れ歯やインプラントなどで補う治療は可能ですが、自分の歯と比べると噛み心地は落ちてしまいます。そのため、できるだけご自分の歯を温存する方法をご提示いたしますが、上記のように現状より歯を抜いたほうがQOLが向上すると診断した場合は抜歯をおすすめする場合もございます。
歯周病と全身疾患の関係性
お口の中は全身の中でも微生物、細菌などが最も多く存在している場所であり、あらゆる全身疾患と歯周病の関連性が近年の研究により指摘されています。歯周病との関連を挙げられているものには呼吸器系疾患、心疾患、糖尿病や早産・低体重児出産などがあります。なかでも糖尿病は相関性が強く報告されており、歯周治療を行うことで糖尿病が改善するという報告も多くあがっております。
早産・低体重児出産の関連性
お母さんが歯周病の場合、お口の中の細菌や、歯周病によって引き起こされる炎症性物質が血流にのって全身をめぐり、お腹の赤ちゃんにも影響を与えることが近年の報告で示されています。2012年には当院長である立石が、早産や低体重児出産、前置胎盤などでハイリスク妊婦と診断されたお母さんの出産時に、卵膜(胎盤付属組織)から歯周病原細菌である、P. gingivalisやF. nucleatumが見つかったことを報告しております。産まれてくる赤ちゃんのためにも、妊娠前、出産前の口腔清掃を心がけましょう。
歯周病の予防
歯磨きで歯石になる前の歯垢の時点で除去するのが、ホームケアです。歯ブラシでは取り除けなくなった歯石を除去するのが、歯科医院でのプロフェッショナルケアです。
歯周病は全ての人が必ずかかるわけではありません。歯周病の多くは原因であるプラークや歯石をホームケアとプロフェッショナルケアによって除去することで、予防することができます。予防できない歯周病もありますが、遺伝性の病気など非常に特殊な場合です。
よくあるご質問
Q:歯周病は必ずかかる病気?
歯周病は必ずかかるわけではありません。原因であるプラークや歯石を歯磨きや、定期的な歯科検診などを受けることにより、除去することで予防できます。予防できない歯周病もありますが、遺伝性の病気など非常に特殊な場合です。
Q:プラークって何?
歯に付着している白または黄色の粘着性の沈着物。多くの細菌と、その産生物から構成されています。また、バイオフィルムとも呼ばれていて歯に付着するだけでなく、薬品だけでは除去しにくい状態になっています。そのためしっかりと歯ブラシ等で除去することが大切です。
Q:歯周病を治療をしなかったらどうなる?
歯周病は自然治癒することはありません。 サイレントディジーズ(静かなる病気)とも表現され、酷くなるまで自覚することの少ない病気です。放置しておくと、歯の寿命が短くなるばかりか、健康な歯にも悪影響をおよぼし、お口の中全体が悪くなっていきます。 最近では、全身疾患との関係も明らかになってきており、「歯周病は万病のもと」とも言ます。
Q:歯周病の治療期間は?
歯ぐきの治り方やブラッシング状態を確認しながら、次のステップへ移行しますので、初期であれば比較的短期間で終了します。中等度以上の歯周病の場合には、程度にもよりますが長期にわたる場合が多いです。 治療後も引き続きメインテナンスが不可欠なので、定期的な受診が必要です。
Q:治療が終わっても定期的に通ったほうがいい?
痛みがある・ないではなく、病気になる前に定期的に健診に行くことは非常に大事です。 歯周病は生活習慣病ですので治療が終了しても、ちょっとした油断で 再発し、再治療が必要になってしまいます。ご自身ではきれいに磨けているつもりであっても意外と歯垢は残っています。メインテナンスを行えば、磨き残しのチェックや、歯周ポケットから細菌を除去することができます。1~6ヵ月を目安に定期的に歯科医院に行くようにしましょう。 受診する間隔は、その方のお口の状態によりますので、担当医師にご相談ください。
Q:メインテナンスを途中で中断したのですが...
メインテナンスも重要な治療のひとつ。口腔内の細菌を除去し続けることが歯周病を予防し、お口の健康を維持するために必要となります。 歯垢は毎日の適切なブラッシングで除去することが出来ますが、深い歯周ポケットの中や歯並びの悪い所にある細菌はブラッシングだけでは除去できません。メインテナンスを途中で中断した場合、歯周病が再発したり、新しいう蝕が発生して、以前行った治療効果が失われてしまいます。専門的なクリーニングと、メインテナンスを継続していくことが、歯周治療のゴールとなります。
Q:電動歯ブラシで歯周病予防はできる?
正しく使うことが大切で、効果があるとは一概にはいえません。手動ブラシでも的確にポイントにあてることができれば十分効果はありますし、電動歯ブラシでもポイントにあたっていなければ効果を得ることはできません。ただし高齢や病気などの理由で、手を動かしづらい場合には電動歯ブラシは、効果的な道具となるでしょう。
歯ブラシを上手に使っても、歯の間には少なからず磨き残しができます。このような場所には歯間ブラシやデンタルフロスといった補助的な道具が必要になります。 どのような道具が適しているかは担当医師にご相談ください。
Q:オススメの歯みがき粉、またどれくらい効果があるの?
大事なのはどの歯磨剤を使うかではなく、いかにブラッシングでプラークを除去できるかどうか。様々な薬効が入っているものもありますが、プラークをしっかりと歯ブラシで除去した後のあくまでも補助的効果だと考えるとよいでしょう。 歯磨剤を使うとスッキリして磨けた気になりますが、実は歯の表面はザラザラした磨き残しがついていることがあります。時には歯磨剤を使わずに、どれだけ磨けているかセルフチェックをしてみましょう。
治療後は腫れがひいて、歯茎が下がるので、研磨剤が多く入ったザラザラしたタイプの歯磨剤を使用すると知覚過敏の症状が出やすいですので、気を付けましょう。
Q:歯周病って薬で治せないの?
薬だけでは治すことはできません。原因であるプラークは強固に歯に付着しています。そのため、薬品だけでは除去することができません。したがって飲み薬や洗口薬だけでは除去できないのです。歯石は歯ブラシでは取れないので、歯科医院で除去し新しい歯石がつかないように、ご自分で歯磨きを改善したりする必要があります。そのうえで必要ならば抗生物質の投与を受けることで歯周病の改善に効果を上げることがあります。
Q:歯周ポケットとは何ですか?
歯と歯ぐきの間には、歯肉溝という1mm程の溝があります。歯周病の原因菌はこの溝の中に入りこんで炎症を起こすので、歯周病になるとこの溝が深くなり、ポケットと呼ばれる深い溝が形成されます。歯周病の検査では、この溝の深さを測ることで、歯周病の重症度をチェックします。歯周ポケットが深くなるほど歯周病は重症であると診断されます。
Q:歯石を取るのは痛いでしょうか?
個人差はありますが歯ぐきの上についている歯石を取る場合、ほとんど痛みはありません。歯ぐきの中の歯石を取る場合は多少痛みを伴う場合もあります。その場合は麻酔をいたしますのでご安心ください。
Q:歯石を取った後、歯が沁みるようになったが大丈夫?
歯石を除去後、腫れていた歯肉が引き締まり歯根が露出する場合があります。そのため、一時的な知覚過敏の症状が出る方がいらっしゃいます。ほとんどの場合、優しく丁寧にブラッシングを続けているとおさまってきますが、症状が長引く場合には担当医にご相談ください。
Q:歯茎が下がってきたのですが、どうしたらよいでしょうか?
日本人は生まれつき歯の周りの骨や歯茎が薄い方が多く、ちょっとしたことで歯茎が下がりやすいです。原因として考えられるのは2つ、過度のブラッシングと歯ぎしりなどの咬み合わせの不和です。下がってしまった歯茎は基本的には元に戻りません。歯肉移植のような歯周形成外科といわれる手術が有効ですが、それらが必要かどうかも併せてご相談ください。
Q:口呼吸は歯周病に悪いの?
口呼吸は口の中が乾きやすくなり、乾燥することで歯周病菌は粘度を持ち、より強固に歯にくっつこうとします。口が渇いた時の歯の表面の粘つきがそれです。口臭を引き起こす原因にもなります。また唾液による自浄作用がなくなるため、口の中の細菌の活動性を高まり、歯周病や虫歯の進行リスクが高くなります。
Q:歯周病原菌が全身の健康に関係があるのは本当?
お口の中は微生物、細菌などが最も多く存在しており、あらゆる全身疾患と歯周病の関連性が近年の研究により指摘されています。関連を挙げられているものには呼吸器系疾患、心疾患、糖尿病や早産・低体重児出産などがあります。なかでも糖尿病は相関性が強く報告されており、逆に糖尿病は歯周病のリスクファクターである、といったデータが示されています。
Q:歯周病と早産・低体重児出産との関連性とは?
お母さんが歯周病の場合、歯周病によって引き起こされる炎症性物質が血流にのって全身をめぐり、お腹の赤ちゃんにも影響を与えることが近年の報告で示されています。
2012年には当院長である立石が、早産や低体重児出産、前置胎盤などでハイリスク妊婦と診断されたお母さんの出産時に、卵膜(胎盤付属組織)から歯周病原細菌である、P. gingivalisやF. nucleatumが見つかったことを報告しております。
歯周病治療の患者さま満足度調査にご協力ください
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少しでも患者さまにとってより良い歯科医療を提供するため、第三者機関に依頼して『歯周病治療』の患者さま満足度調査を行っています。
率直なご意見をいただき、改善すべき点は真摯に受け止めていきたいと思っております。
当院には患者さまの個人情報は一切伝えられませんので、是非、暖かいお言葉、おしかりのお言葉、たくさんお寄せください。
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